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ふいご
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石の道具は基本的に職人が自ら作ります。特にノミは一日に何十本と用意して、次々に取り替えながら使っていました。そうすることで、常に切れるノミを使うことができ、また次の日の朝ノミ先を整えるのが楽になります。ノミの本数が少ないとどうしてもノミ先がまるくなるまで使わざるをえません。そうなるとあらためてノミ先を叩き直す時間と手間がかかってしまうのです。
このように職人は仕事の前、早朝からノミ等の道具を手入れしていました。
ノミやセットウなどは鉄でできているので、それらを加工するには高温の炉が必要となります。昔は木炭で火をおこしていましたが現在はコークスが主流です。炉の下には通風口が設けられており、そこから空気を送ることでより高温の火をおこすことができました。その際、通風口から炉へと空気を送るための装置が「ふいご」です。
ふいご
このような手作りのふいごが使われていました。手前の取ってを押したり引いたりすることで空気を送り出していました。ちょうど自転車の空気入れと同じようなものです。この動作を繰り返すことで炉の火を高温に保つことができました。
ふいご2
鉄のはさみでノミを炉に入れ、ふいごで送風している様子です。
鉄は固いので高温の火に入れることで加工しやすくします。真っ赤になるまで熱します。そしてそれを炉から取り出し、素早くセットウで叩きます。少しずつノミ先を加工していきます。だんだん冷えてくると硬くなって加工しづらくなるので、そうなったらまた炉に戻します。そしてまた熱しては叩いてという作業を繰り返すのです。そして自分の好みの形になるまで加工します。形ができあがってもまだ完成ではありません。この状態では鉄といえどもまだ道具として使えません。「焼き」が入っていないので、このまま使ってしまうとノミ先が曲がってしまいます。そこで「焼き入れ」をします。できあがったノミを再び炉で熱します。そして頃合いを見て取り出し、まずはノミ先を少し水につけます。一呼吸してから一気に全体を水に突っ込みます。そしてタイミングを見計らって取り出し、ノミ先の水が蒸発したらまた全体を水中に浸して冷やします。これが終わったら同様にノミの頭も焼き入れをします。この時の焼き入れの具合によって固さが決まります。このタイミングは経験でちょうどいいところを自分で探るしかありません。自分の好みの固さがあるでしょうし、軟石か、御影のような硬い石かによっても焼き入れ具合を変える必要があるからです。このやりかたはあくまで私の場合ですので、職人さん、地域によってやり方は変わるかと思われます。焼き入れした箇所が白っぽかったり青っぽかったり、紫のようだったりと、その色によって固さが判断できます。あまりに固いとノミの頭が飛んで危険なので、ほどよい粘りが必要となります。
昔は当たり前のように毎日朝火をおこして焼き入れをしていましたが、近年はタンガロイなどの超硬合金の発達により、あまりその機会は少なくなりました。昭和初期の頃は、車のドライブシャフトやスプリングなどが、身近にあるよい材料として用いられていたという話も聞きます。
毎年旧暦の11月8日には「ふいご祭」が催されます。これは鍛冶屋や鋳物師など、火を扱う職種の人々、つまりふいごを使う人々によるお祭りです。石屋さんも当然そういった習わしを伝統的に受け継いできました。現代ではほとんど使われることのないふいごですが、石屋さんではふいご祭を今でもかかざずとりおこなっているお店も多いです。

 

 
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