2009.05.22 Friday
石工具・のみ、ノミの技
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のみは石の加工をする上で基本となります。しかし最近ではのみを使うような仕事も少なくなりました。その結果、石工さんでもちゃんと扱える人も少なくなりつつあります。かえって彫刻家などが、石のごつごつした表情を出すためにのみの仕上げをすることが多くなりました。
のみの仕事はリズムがあります。呼吸や鼓動のように、淡々と。のみの仕事はその様子を見なくても、音を聞くだけでその技能のよしあしがわかってしまいます。熟練工の音は聞いているだけで心地よくなります。
ハツリのみ(黄銅巻き)8×10×35mm
のみの仕上げにはいろいろな種類があります。
はつり、たたき、つぶし、線彫りなど、その他個人個人の癖もあり、そののみ跡で誰が彫ったか判別がつく場合もあります。
私は以前のみ跡にこだわりすぎて、のみ跡同士を絶対にくっつけないように造形していました。結果的にはあまりに短調な表情になってしまいました。あまり意識しないほうが自然と言えます。
始めたての頃は、のみの頭ばかり見ていました。ちゃんとセットウがあたっているか気になってしまうんですね。恐怖もあったと思います。いつの頃からですかね、石を見ているようになったのは。それはつまり道具が手の一部となったということです。以降、まともな角度でセットウを振れない状況(窮屈な現場、形がいりくんだ石の造形など)が結構あり、結果的にはあらゆる方向でのみ打ちができるようになりました。あまりおすすめしませんが。
のみ打ちはとても単純単調な作業です。故にとても奥が深く感じます。のみ跡を眺めていると。作業者の心理が色濃く表出されているような気がします。石と対話するための優れたツールだと思います。覚悟と感謝の念で石と向き合うことが重要です。
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